赤ちゃん連れで旅行に行くときに、まず頭を悩ませるのが「哺乳瓶の消毒どうする?問題」。
いつも使っているスチーム消毒機を持ち歩くには、大きくて重い…。旅先で電子レンジや火は使えるのか?薬剤での消毒は大丈夫?
いつもと違う環境で、どうすれば普段と同じ衛生を保てるのか――我が家もさんざん悩み、いろいろ試してきました。
旅先の設備や旅行スタイル、そして普段の消毒方法によって、最適解はそれぞれ違ってくると思います。
今回は、主な消毒方法と旅先の状況に応じた選び方をまとめてみました。これから旅行を計画されている方の参考になればうれしいです。
主な哺乳瓶消毒方法まとめ
薬剤タイプ(つけ置き)
薬剤につけ置きするだけなので、滞在先の設備に関わらず、どこでも消毒できる点が便利です。容器が嵩張りますが、百均のケースやジップロックで代用する方法もあるようです。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 水と容器があればどこでも使える 火を使わないので安全 個包装タイプであれば、持ち運び便利 複数の哺乳瓶・乳首を消毒可 器具や素材を選ばない(耐熱性なくてもOK) | つけ置き時間が1時間以上かかる つけ置き用の容器が必要 独特のにおいが残る場合あり 光や温度の影響を受けることも 薬剤の取り扱いに注意が必要(混ぜるな危険) |
電子レンジや火が使えないホテル、旅館、実家など、場所を選ばずどこでも確実・安全に消毒をすることが可能です。
電子レンジ消毒(スチームタイプ)
ケースが嵩張るのが難点ですが、電子レンジ消毒にも薬剤消毒、保管にも使える3wayが便利。バッグタイプであれば旅先でも嵩張らず持ち運びが楽にできます。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 短時間でしっかり除菌できる 薬剤不要で安心・安全 コンパクトで持ち運びしやすい(バッグタイプ)繰り返し使えて経済的 | 電子レンジがないと使えない 取り扱いに注意(高温・やけど) 中が完全に乾かないことも(要自然乾燥) 電子レンジ内が水滴だらけになる |
電子レンジ付のコンドミニアムや共用レンジがある旅館やホテル、実家での滞在に便利です。
スチーム除菌乾燥機
コンセントさえあれば、全自動で消毒から乾燥まで完了できるのはとても便利ですが、旅行に持っていくには現実的な大きさでないのが難点。。最近は乾燥機能を諦めれば、なんとか持ち運べそうな小型の商品も出てきています。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| ボタンひとつで全自動 複数本を一度に除菌できる 薬剤不要で安心 清潔に保管できる | サイズが大きく持ち運びに不便 電源必要 価格高め 稼働音が気になることも |
持ち運びしにくい点がデメリットですが、そこさえクリアできればとにかくオペレーションが楽!長期旅行(長期で実家に帰るなど)などにおすすめです。宿泊先に電子レンジがない場合にも◎。
煮沸消毒(鍋+火)
鍋+火が必要ですが、確実に殺菌ができ、太古から(?)使われている方法です。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 確実に殺菌できる 薬剤不要 | 鍋と火が必要 準備と片付けが大変 取り扱いに注意(高温・やけど) |
実家やキッチン付きのコンドミニアムに宿泊する際に使える消毒方法です。
熱湯消毒
裏技的な方法として、湯沸かしポットに直接入れて消毒するという手もあります。
この場合、ポットと電源さえあればOK。ただし、宿泊先備え付けのポットに物を入れるのは衛生面・マナーの観点からNGなので、自前のポータブルポットを持参するのが◎です。
なお、哺乳瓶そのものをポットに入れて消毒するのはサイズ的に難しいため、消毒できるのは乳首部分のみです。
そのため、液体ミルクにいつもの乳首を装着するか、哺乳瓶にインナーバッグを使って乳首だけを消毒するスタイルが現実的です。
使い捨て哺乳瓶
消毒しないという選択肢もあります。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 消毒不要 荷物を減らせる 災害用にも◎ | コストが高い 飲み慣れないと嫌がる赤ちゃんも |
日帰りや移動が多い旅行、緊急時などに使える方法です。
宿泊タイプ別:最適な消毒方法の選び方
宿泊先の設備によって、使いやすい哺乳瓶の消毒方法は変わってきます。
これまでいろいろなタイプの宿に泊まって試してきた経験や調べた情報をもとに、宿泊タイプ別のおすすめ消毒方法をまとめました。
ホテル(ビジネスホテルやシティホテル)
- 薬剤つけ置き消毒
- 熱湯消毒(液体ミルクorインナーバッグ+いつもの乳首)
- 使い捨て哺乳瓶
火や電子レンジが使えず、スペースも限られていることから、水さえあればできる薬剤つけ置き消毒は便利です。また、消毒するものを減らすという点で、液体ミルクやインナーバッグ、使い捨て哺乳瓶を使用する方法が有効です。
なお、フロントやレストランでお願いすれば電子レンジ消毒をしてくれるところもありますが、消毒ケースは持参しなければならない場合もあるため、確認が必要です(貸してくれるところもあります)。
また、共用スペースに電子レンジが置いてある場合もありますが、電子レンジ消毒をするとレンジ内が水滴だらけになるので都度内部を拭かなければいけないのは手間です。そして何よりも消毒の度に部屋から出ないといけないのは結構面倒ですし、赤ちゃんが一緒だとそのタイミングを見計らうのも難しいため、結局部屋の中で完結できる消毒方法がおすすめです。
温泉旅館・リゾートホテル
- 小型スチーム除菌機
- 薬剤つけ置き消毒
- 熱湯消毒(液体ミルクorインナーバッグ+いつもの乳首)
部屋のスペースと持ち物に余裕があれば、小型スチーム消毒機が便利です。また、電源はあるかと思うので、ポットを持参し、乳首だけ熱湯消毒する方法も考えられます。
コンドミニアム・コテージ(キッチンあり)
- 電子レンジ消毒
- 煮沸消毒
キッチンや電子レンジが部屋に備わっている場合は、普段の消毒方法が再現しやすいです。電子レンジ消毒や火+鍋で確実に消毒することができます。
キャンプ・車中泊
- 使い捨て哺乳瓶
- 薬剤つけ置き消毒
火や電気が使えない環境でも対応可能で、携帯性が高い消毒が適しています。
最近はポータブル電源が普及してきているため、電源が使えるようであれば、小型スチーム除菌機やポットを利用した熱湯消毒もおすすめです。
実家・友人宅など
- 普段のスチーム除菌乾燥機
- 電子レンジ消毒
- 煮沸消毒
電源が使える&長期滞在の場合は、まとめて消毒・乾燥できて衛生的な方法が適しています。いつもと同じ消毒方法を再現しやすい環境なので、使い慣れたものを持参するのが良いですね。
用途に応じた選び方のコツ
• とにかく手軽&衛生面を重視 ⇒ 薬剤つけ置き消毒
• 短期旅行やお試し旅行に ⇒ 使い捨て哺乳瓶、熱湯消毒(液体ミルクorインナーバッグ+いつもの乳首)
• 自炊できる場所なら ⇒ 電子レンジ消毒 or 煮沸消毒
• 手軽+だいたいどこでも使える⇒小型スチーム除菌機
我が家の実体験:おすすめの消毒グッズ
我が家では普段ピジョンのスチーム除菌乾燥機を使っていることから、電源さえあればどこでも使える小型スチーム除菌機を持ち歩いています。
ピジョンの除菌乾燥機はさすがに持ち運べる大きさではないため、旅行時は以下の除菌機を使用しています。乾燥機能はついていない分、スーツケースには収まる大きさです。宿泊先の設備によって消毒方法を考えるのも面倒になり、こちらの方法に落ち着きました。
ちなみに上の子が生後10か月の頃に、大きなキャンピングカーを借りて旅行をしたのですが、その際はいつものピジョンの除菌乾燥機を持参しました。ほぼ家でした(笑)。
ちょっとした外出や移動時には、液体ミルク+いつもの乳首を愛用しています。
特に公共交通機関での移動中は、ポットからお湯を注いで調乳するのが意外と大変ですよね。
また、イオンでの買い物や病院の待ち時間など、「飲むかどうかわからないけど念のため…」という場面でも、液体ミルクはとても重宝します。
洗浄問題も忘れずに!持参すべきもの
今回は消毒方法に焦点を当てて紹介してきましたが、消毒する前にきちんと洗浄することもお忘れなく。
・哺乳瓶用ブラシ(携帯用もあるけど使い慣れたものがおすすめ)
・中性洗剤(試供品や100均容器で)
・水切りネットやジップ袋(干す・しまう用)
・哺乳瓶を置ける清潔な布、キッチンペーパーなど
万が一のときにも応用できる
旅行時の消毒方法として紹介してきましたが、実は入院中や産後ケア施設を利用する際にも応用できます。
実際、下の子が生後3か月の頃に1週間ほど入院したときは、お湯はもらえましたが、調乳・消毒に使うグッズはすべて持参でした。相部屋の病室ではスペースもコンセントも限られていて、いつもと同じ方法で哺乳瓶を消毒するのは困難でした。また、別の機会に利用した産後ケア施設でも、消毒グッズは持参が必要でした。
旅行のときだけでなく、外泊や入院など「いつもと違う環境」でどうするかを考えておくのはいざというときに安心です。「いつも通り」にこだわりすぎず、状況に合わせて使えるアイテムを上手く組み合わせることが、ポイントかなと思います。
旅行を機に今一度、お手元の装備を見直してみてはいかがでしょうか。

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